同時処理と継次処理 ~得意な認知特性を生かして効率よく学習する方法~
同時処理とは、複数の刺激を全体的に処理し、空間的に統合する力です。それに対して継次処理とは、刺激を1つずつ系列的、時間的順序で処理する力のことです。
同時処理が得意なタイプの人は、道順を説明する際に、地図を書いて同時に様々な情報を把握することができます。漢字なども全体的な形を捉えて記憶して書くことができます。九九を覚えるときには、九九表を作成して視覚的な手がかりを利用して記憶すると有効です。
それに対して継次処理が得意なタイプの人は、道順を説明する際に「この道をまっすぐ進み、右に曲がって…」というように順を追って説明を加えるとよりイメージができます。漢字を覚える際には、書き順を意識したり、絵描き歌のようにして覚えると、定着が早いです。また、九九を覚える際には「にいちがに、ににんがし、・・・・」というように暗唱して覚えると効果的です。
このように、人には得意な認知処理様式があるので、自分の得意な認知特性を用いることによって効率的に学習することができます。同時処理―継次処理尺度は、K-ABCⅡ知能検査などで見ることができます。