『働くということ』

 アットスクール高等学院の生徒のみなさんは12月に「働くこと」について学び、1月には就労移行支援事業所の見学にも行きました。

 私自身、初めて働いたのは高校1年生の冬休み、郵便局での年賀状の振り分けのアルバイトでした。当時は時給500円ぐらいだった記憶です。郵便局員の方がある地域一帯は『〇〇家』ばかりであるのに、この番地の『〇〇家』には△△さんがおられるなどとすべて把握されていることに驚きました。その後も、ほか弁屋さん、京大農学部の研究所で「収穫した麦を数える」、家庭教師、居酒屋、ホテルのレストラン、花屋、カラオケボックスなどといろいろなところでアルバイトをしました。

 アルバイトの一番の目的は小遣い稼ぎであり、好きなものを買うということでしたが、働いている中で、挨拶や時間を守る、報告をするといった働くことの基本的なことを学んだり、お客さんに対してのマナーやレジの使い方、お弁当の作り方、着物の着方、掃除の仕方などを知り、まわりへの気遣いをどのようにすればいいかを身につけることができたように思います。そして、何よりも勉強を教えていた子どもが希望中学に合格したり、お客さんから「ありがとう」と言って頂けることが嬉しかったです。 働いてお金を稼ぐということには『責任』がついてきますが、「お金を得る」以外にも、「生きていくエネルギーも得る」ことができると思っています。