コラム「発達検査について考えること」

大学生の時、支援員としてある小学校でアルバイトをさせていただいていた時のエピソードです。初めて関わった小学2年生のAちゃんは、可愛らしい笑顔が素敵な女の子でした。人懐っこく話していてとても楽しいのですが、自分が失敗と感じると、それを受け入れられずに泣き出してしまうところがありました。算数が苦手で、よく個別に支援をしていました。

あるとき、経緯は不明ですが、その子が発達検査を受けることに。自分から私に教えてくれました。

「わたし、あほやから、ケンサ、うけるねん。あほやねん。ケンサ、いややなぁ…」

と。心理の専門家を志して、検査の学習もしていた当時の私は彼女の言葉に胸が押しつぶされる思いでした。

周囲の方がどのように彼女に検査のことを伝えたかは分かりません。きっと必要な検査だったんでしょう。ただ、今までの体験、検査に対する周囲の反応や言葉がけの中で、「わたしってあほなんや」と、そう思わせてしまう何かがあったかもしれません。

どうしたって、検査はできる問題までするため、全問正答できるような子以外はわからない体験で終わります。結局なにかしら、自分の出来なさやしんどさに向き合うことになります。

楽しめる子はいいのですが、スタートがマイナスだと、ただ辛かった体験になってしまうこともあります。

発達検査は、そのお子さんの知的発達のバランスや特性を知ることができ、学習や進学、就労に生かすことができるとても大切な、重要なものです。

発達検査を考えておられる方がいらっしゃったら、どうか、検査を受ける時、お子さんのご様子をよく見ていただき、何かあれば検査者に伝えていただければと思います

アットスクールでは、個々のお子さんに合わせて丁寧に検査を進めてまいります。

検査受検を考えておられる方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。